先日生理前にイライラしてしょうがないという20代の女性がみえた。
生理周期的は規則的であるが整理の予定日2週間前から不安定になり、ちょっとしたことで人に当たるという。
むくみや乳房の張る感じはないが、頭痛や肩こりも強く、イライラの程度はかなり強く職場や友人にもあたり、その関係を損ないそうなレベルにまで達しているようだ。
不快な症状は生理の訪れとともに消え去る。
これは月経前症候群と言われる症状で、
身体的症状としては、
下腹部膨満感、下腹痛、頭痛、乳房痛、乳房が張る、腰痛
関節痛、むくみ、体重増加、脚が重い、にきび、めまい
食欲亢進、便秘あるいは下痢、悪心、動悸、過剰な睡眠欲、不眠
精神的症状としては、
怒りやすい、反感、闘争的、憂鬱、緊張、判断力低下、不決断
無気力、孤独感、疲れやすい、不眠、パニック、妄想症、集中力低下 気力が続かない、涙もろい、悪夢を見る、異性に対してのみ攻撃的になり暴力をふるう
などの症状がある(ウィキペディアより)
ホルモン周期の黄体期に症状が現れるので、黄体ホルモンが原因という考え方もあるが、むしろ黄体ホルモンの作用不足や卵胞ホルモンの過剰が原因と考えられている。
このためホルモンのアンバランスを解消するために、婦人科ではホルモン療法なども行われている。
黄体ホルモンが作れれるためには、ビタミンA、ビタミンB3、亜鉛などが必要であるが、ちゃんとして食事を食べていない人も多い。
この女性も、昼はカップ麺で、イライラし時はお菓子ばかり食べているという。
栄養欠乏のみならず、機能性低血糖がある可能性もある。
炭水化物はインスリンを分泌させるために、セロトニンブースターとして働く。
しかしインスリンの過剰により血糖が低下して、その時にストレスホルモンが過剰分泌される。
この方の精神症状も、ストレスホルモンの過剰がかかわっているだろう。
症状を緩和させるためには、まず低糖質で良質な蛋白脂質食を行う必要がある。
欠乏があれば栄養補給も加える。
トリプトファンを脳に運ぶためには、エアロビックな運動を行うとよい。そのことで糖質を食べなくても脳内のセロトニン濃度は高まる。
(セロトニンの前駆体療法としては、トリプトファンや5HTPなどを用いる)
心身安定剤を使うこともあるが、安全のためには加味逍遥散や抑肝散などの漢方薬がよいだろう。
瞑想や呼吸法などのリラクゼーションも併用するとよい。